最上31番札所富沢観音(2003/04/22)
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丹生からは歴史ある峠「山刀峠(なたぎりとうげ)」越えで、赤倉温泉を経由していきます。
松尾芭蕉は奥の細道で尿前の「封人の家(ふうじんのいえ)」に宿泊し、この山刀峠を越えて尾花沢に入ったのでその逆をたどる形になります。
少し長いですが、「奥の細道」では次のように記録されています。
小黒崎・美豆の小島を過ぎて、鳴子の湯より尿前の関にかかりて、出羽の国に越えんとす。
この道、旅人まれなる所なれば、関守にあやしめられて、やうやうして関を越す。大山をのぼって、日すでに暮れければ、封人の家を見かけて宿りを求む。三日風雨荒れて、よしなき山中に逗留す。
蚤虱馬の尿する枕もと のみしらみうまのしとするまくらもと
あるじの曰く、「これより出羽の国に、大山を隔てて、道さだかならざれば、道しるべの人を頼みて越ゆべき」よしを申す。「さらば」と言ひて、人を頼みはべれば、究竟(屈強)の若者、反脇指をよこたへ、樫の杖たづさへて、われわれが先に立ちて行く。
今日こそ必ずあやふきめにもあふべき日なれと、辛き思ひをなして、うしろについて行く。あるじの言ふにたがはず、高山森々として一鳥声聞かず、木の下闇茂りあひて、夜行くがごとし。雲端につちふる心地して、篠のなか踏みわけ踏みわけ、水をわたり、岩につまづいて、肌につめたき汗を流して、最上の庄に出づ。
かの案内せし男の言ふやう、「この道必ず不用のことあり。つつがなう送りまゐらせて、仕合せしたり」とよろこびて別れぬ。あとに聞きてさへ、胸とどろくのみなり
今は車ですぐですが、昔は命がけで通らなければならない峠であったようです。
赤倉温泉をすぎ、小国川にかかる赤い橋を渡ると国道47号線につきあたります。ここに富沢観音まで1kmという小さな案内版もみえます。
交差点を左折(西側)に曲がり、しばらくすると道の右側に富沢観音があります。
寺院の駐車場はよく整備されており、桜並木がとてもきれいです。
富沢観音のご本尊は最上霊場で唯一の馬頭観世音です。昔は名馬の産地だったのでしょうか、また山間部ですので馬も難儀したのかもしれません。
観音堂は中に入って参拝することができました。
納経は山門を入って右側のお寺の家屋の一角で案内がでています。
巡礼者をあたたかく迎えてくださいました。気持ちよく参拝させていただきました。
<その観光スポット等>
・封人の家
少し宮城県より東側にもどりますが、「封人の家」は芭蕉が立ち寄ったとされる歴史的な建造物です。観光地として整備されています。
・赤倉温泉
山刀峠をおりてくる途上にあります。日帰り温泉施設もあります。歩いて山刀峠ウオーキング等をされる場合もちょうどいいです。
【GPS情報】
■AU EZナビウオーク用
富沢観音の位置(2005/7/20 計測)
http://map.navitime.jp/?datum=0&unit=1&lat=+38.73524&lon=+140.54997&fm=0
位置情報(WGS84系)
N:38.44.06.89
W:140.32.59.83
■国土地理院ウオッちず(試験公開)用パラメーター
富沢観音の位置(2005/7/20 作成)
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.aspx?b=384406.89&l=1403259.83
転載、改変等を禁じます。
平成最上巡礼記
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Mail:mogami@morobito.com
きたはち